「スマイルカット」誕生のきっかけ

NPO法人そらいろプロジェクト京都 理事長 赤松隆滋

発達障がいとの出会い

『発達障がい』といってもピンと来ない方がおられるかもしれません。
実際僕も、その言葉くらいしか知りませんでした。

2010年『ママにもできる!チャイルドカット』という子どもの前髪カット講座でとある児童館に初めて行ったときのこと。初対面にもかかわらずとてもフレンドリーなN先生が、僕に言ってきました。
「赤松さん、チャイルドカット講座が終わったら、ちょっと保護者さんの相談にのってあげて」
講座が終わり、N先生と保護者のお母さん方とミーティング。
このお母さん方が発達障がい児の保護者さんで、子どもが大きくなることでの自宅カットの困難さ、歯医者でも全身麻酔をしないと治療ができない話などを聞かせてもらいました。

「児童館の場所を提供するので、カットする訓練をしてくれませんか?」
ちょうど、そのころ僕の中で決まり事がありました。
「頼まれたら断らない」
とりあえずやってみて、駄目ならそこから考えようってスタンスでいたので、後先考えずオッケーをした。
でも、発達障がいをまったく知らずに取り組んだことは、今も反省しています。

スマイルカットの初日。バリカンやドライヤーの音にパニックを起こす子どもに対して、安易な気持ちでバリカンを使用しました。
すごく大人しい子どもだったので、襟足の見えないところならバリカンを入れてもバレないだろうと…
もちろん、パニックを起こした子どもを見たのは、この時が初めてでした。
この経験から、発達障がいについて勉強をしようと思いました。

勉強すればするほど、発達障がいは奥が深く、十人十色です。
正直、自分には無理かなと思ったこともあります。でも、スマイルカットの保護者さんたちは、すごく期待してくれているのです。
そして、全国に発達障がい児が多く存在することも知りました。
障がいがあってもなくても、親は子どもに普通の生活をさせたいもの。
散髪や歯医者、病院、習い事…受け入れてくれる店を常に探していることも知りました。

ハサミを使って人に喜んでもらうこと

僕のできるコトは何だろう。
「ハサミを使って人に喜んでもらうこと。」
美容室に行くことができない発達障がい児がいるのなら、その子が美容室でカットができるようになる日まで、エスコートする美容師がいても良いじゃないだろうか。

今は、日本全国に『スマイルカット』を浸透させることに全力です。
全国にこの活動が広がれば、法律だって緩和されるだろうし、発達障がい児とその親の笑顔もきっと増える。
『スマイルカット』が当たり前になる世の中にするため、これからも広め伝えていく。
それが僕の、そして“そらプロ”の仕事です。

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