スマイルカットレポート
~発達障がい児のためのヘアカット~
先日、「大阪府立労働センター(通称:エル・おおさか)」で開催されました、スマイルカットの講習会(発達障がい児のためのヘアカット)に初めて参加させていただきましたので、感想を含めてレポートさせていただきます。

「発達障がい」-----------
この言葉は何となく知っているようですが、実際に正しく理解していない方が殆どではないでしょうか。
実は私もその1人でした。
そのことを十分理解していた赤松さんは、まずは私たちに対して発達障がいを抱える子どもたちが「見ている世界」の動画を紹介いただき、視覚・聴覚を通じて体験させてくれました。
その動画を見ると、そこには単なる体験ということを忘れるぐらい、大人でも怖いと感じる「嫌な音」「バランス感覚を失いかねない風景」といった世界が広がっていました。
「…これが日常で起きると誰でもパニックになる」
これが正直な感想です。

私たちがたまに街中で見かける「落ち着きを無くしてしまった子」、「パニックになったり、大声で歌をうたっている子」たちを見ると、「???」という気持ちで遠目から眺めていることはないでしょうか。
しかし、この動画を見ると、大変で不安な思いをしている子どもたちに対してとても失礼なことであったと反省し、以降の接し方が変るぐらいインパクトのあるものでした。
発達障がいの子どもたちは「困った子どもたち」ではなく、「困っている子どもたち」ということを赤松さんが気付かせてくれました。
今回は、こういった動画を踏まえながら、不安を抱えながらカット(散髪)に臨む子どもたちの「こころ」「気持ち」を考えながら、実際のカットの流れを考えていきました。
発達障がいを抱える子どもたちに限らず、子どもはみんな人生の経験が少なく、また家族に守られている存在のため、「未知のこと」「外的刺激」に対して恐怖心を抱きやすいものです。

この恐怖心を取り除かず、見通しないまま何かをしようとすると強い拒絶反応を示すことがあります。
繊細な気持ちを持つ子どもたちに何かをするとき(またはしてもらうとき)は、恐怖心を取り除き、見通しを立てることがとても重要です。
講習会では、このように子どもの気持ちに立って、1つひとつのプロセスでの注意点について事例を交えながら解説していただきました。
しかも、この解説は心理学などをはじめとする様々な理論を、実務を通して具体化されたもので、カットに限らず通常の子育てでも直ぐに使えるものばかり。

最初は「発達障がいの子どもたちに対するカットの方法」を学ぶという気持ちで講演会に参加させていただきましたが、カットに限らず、更には普通の子育て、職場での後輩や部下への指導にも活かせる、とても有意義な内容でした。
是非、お近くで講演会が開催される場合は、参加されてみてください。本当にお薦めです。
有限会社ビーダッシュ
渡邉 裕一